
こんにちは!静岡県浜松市でWEBデザイナーをしています小瀧です。
ツールチップやポップオーバーを作るとき、「親要素の overflow に隠れる」「position: absolute だと配置がズレる」「スクロールで位置が崩れる」といった問題に悩まされたことはありませんか。
これまでのCSSでは、こうしたUIを正確に配置するために、JavaScriptで位置計算をしたり、DOM構造を無理に変えたりと、少し苦しい実装が必要でした。
そんな長年の悩みを根本から解決するのが、今回のテーマである
Anchor Positioning
です。
Anchor Positioning を使うと、
要素同士を「アンカー関係」で結びつける
ことで、DOM階層に縛られず、ツールチップやポップオーバーを自由に配置できます。
しかも、スクロールやリサイズにもCSSだけで追従します。
この記事では、Anchor Positioning の基本概念から、従来手法との違い、そして実務でどんなUIに使えるのかまでを、Web制作者目線でやさしく解説していきます。
モダンCSSの最前線を押さえたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
Anchor Positioningとは何か
Anchor Positioning は、CSSで
「この要素を、あの要素を基準に配置する」
ことを可能にする新しい仕組みです。
- 基準となる要素をアンカーとして指定
- DOMの親子関係に依存しない
- CSSだけで位置追従が可能
これにより、ツールチップやポップオーバーを、構造を崩さずに配置できるようになります。
これまでの配置方法の限界
従来の実装では、次のような問題がありました。
- position: absolute で親要素に縛られる
- overflow: hidden に隠れる
- スクロール時にズレる
結果として、JavaScriptで座標を計算し直す実装が増え、保守性も下がりがちでした。
Anchor Positioning は、この「構造と配置の不一致」を解消します。
基本的な考え方
Anchor Positioning では、まず基準となる要素にアンカー名を付けます。
.button { anchor-name: --trigger; }
次に、配置したい要素側で、そのアンカーを参照します。
.tooltip { position: absolute; position-anchor: --trigger; }
これだけで、「どの要素を基準にするか」がCSSで明確になります。
See the Pen
Untitled by 小瀧賢 (@ekwwawpb-the-styleful)
on CodePen.
位置指定の実例
アンカーを基準に、上下左右の配置も簡単です。
.tooltip { top: anchor(bottom); left: anchor(center); }
anchor() 関数を使うことで、
基準要素の端や中央をピンポイントで指定できます。
これにより、ツールチップの微調整が非常に楽になります。
ツールチップに最適な理由
Anchor Positioning は、特にツールチップやポップオーバーと相性が良いです。
- スクロールしても位置がズレない
- 親要素の overflow に影響されない
- DOM構造を汚さない
UIコンポーネントとして再利用しやすくなる点も、大きなメリットです。
実務での使いどころ
特に、
デザインと構造を分離したいUI設計
では、Anchor Positioning は非常に強力な武器になります。
対応ブラウザと注意点
Anchor Positioning はまだ新しい仕様のため、対応ブラウザは限定的です。
実務では、フォールバック設計が重要になります。
@supports (anchor-name: --test) { /* Anchor Positioning対応時 */ }
未対応環境では、従来の absolute 配置や JS 実装に切り替えると安心です。
レイアウト設計の考え方が変わる
Anchor Positioning は、
「配置はCSSが責任を持つ」
という思想を、より明確にしてくれる機能です。
JavaScriptに頼らず、UIの関係性をCSSで表現する。
これが、これからのモダンCSS設計の一つの方向性と言えるでしょう。
まとめ
Anchor Positioning は、ツールチップやポップオーバーの実装を劇的にシンプルにします。
DOM構造に縛られず、CSSだけで位置関係を定義できるのは大きな進化です。
まだ新しい技術ではありますが、UI設計の考え方を一段階引き上げてくれる存在です。
今のうちに理解しておくことで、将来のスタンダードにスムーズに対応できるでしょう。











