
こんにちは!静岡県浜松市でホームページ制作をしているフリーランスWEBデザイナーのこたです。
皆さんはデザインについて「才能がなければできない」「センスがある人しか無理」というイメージはありませんか?
私も以前までは思っていました。
Webデザイナーをしていますが、世の中にはたくさんのセンスや才能を持ったデザイナーがたくさんいます。
もちろん、センスや才能があればデザイナーとして花開くことはできるかもしれません。
しかし、勘違いしてはいけないのは決して「センスや才能」がなければデザイナーになれないわけではないのです。
そのような勘違いや思い込みによるデザインの概念を改めて学習することができる本に出会いました。
「たのしごとデザイン論」
グラフィックデザイナーのカイシトモヤさんという方の著書になります。
こちらの本を書いた動機がとても素晴らしく、共感を覚えました。
書いた動機
デザインの世界で働く中で、現場では社会に出てまだ数年のうちに障害にぶつかり、疲弊する多くの新人を目にしてきた。
実は「ものづくり」と同じくらい「仕事の文脈づくり」が大事で、それを教えてくれる本があったら多くのクリエイターが救われるのではないか
実は「ものづくり」と同じくらい「仕事の文脈づくり」が大事で、それを教えてくれる本があったら多くのクリエイターが救われるのではないか
デザイン業界では流行が著しく早く、現場で働く人は流行に追いつくために必死になります。
それに伴い、自分の才能やスキルのなさに絶望し、必ず壁にぶち当たります。
その中で本当はデザインが好きなのに、いつしかデザインをするのが怖い、苦しい、という気持ちが強くなり、デザインから逃げてしまう人も多い業界です。
そんな現場の状況を深く知っている方が書いているからこそ、クリエイターには刺さる文章がいくつもあります。
まだ、デザイナーにはなってはないけどこれから目指している人に向けても、アドバイスを含めた元気の出る言葉もありますので、デザイン初心者から中級者まで幅広い方に読んでいただきたい本になります。
あなたのデザインは見てもらえない
この本では事実が語られています。
皆さんに質問です。
「毎朝駅を歩いていて道沿いにあるポスターに目を向けて、じっくりと見たことはありますか?」おそらく、朝の忙しい時にそんな時間はないですし、もしかしたらスマホを見てポスターの存在すら認識していないかもしれません。
広告とは、人に行動を起こさせるためのものであって、広告のために(広告を見たくて)人が動くことは、滅多にありません。
私たちデザイナーが必死に試行錯誤して作成したデザイン。
これを見てくれる人はごくわずかかもしれません。
しかし、「見てもらえる」という前提で作成するものと、「見てもらえない」という理由で作成するものとでは大きく違ってきます。
見てもらえないものは「見てもらえるようにする」という工夫をしていく必要があります。
この考え方が大切で、当たり前にあるものは当たり前ではなくなることがあるという認識を持って常に改善のアンテナを張っておきましょう!
アイデアは0から生まれない
デザインは才能やセンス、アイデアの発想力によるもので、正攻法などないと思っていませんか?
デザイナーあるあるですが、いつもアイデアが浮かばない時によくあるパターンとして、与えられテーマだけに意識が向きすぎて、頭の中でぐるぐる考えがまとまらないなんてこともあります。
デザインを考える思考法が2つあります。
1垂直思考方法
ひたすら1つのテーマを分析し、掘り下げていく考え方になります。
垂直思考方法はテーマの初期段階では大切なのですが、アイデアの幅を広げたり、意外な発想を生んだりすることには繋がりません。
2水平思考方法
1つの穴を掘り進める垂直思考法に対して、その周辺にいろんな穴をあちこちに掘るような思考法になります。
さまざまな視点でテーマを切っていくため、新たなアイデアが生まれやすい思考法になります。
水平思考方法①「逆転」
テーマについて思いつく特徴を引っ張ってきて、その逆を考えていく方法です。
例
豆腐(白い、四角い)→黒い、丸い
意識的に「逆」を考えること、よく知られている特性や機能を疑ってみることで、無意識にこうだと決めつけていた部分に気づくことができるかもしれません。
水平思考方法②「視点変換」
扱うテーマについて、普段見られているのとは別の視点でそれを評価してみることです。
例
色鉛筆という商品は普段「色」という視点で評価されるので、垂直思考だけで考えると、「色の綺麗さ」「色数の多さ」などに主眼がおかれます。
これでは全く新しい色鉛筆が生まれることはありません。
視点変換で「色」→「匂い」にしてみます。
「色の花の匂いがする色鉛筆」という商品が生まれるかもしれません。
水平思考方法③「連結」
テーマと他のものを結びつけることによって新しいものを作るやり方です。
アイデアと出すために最も有効な方法の1つと言われています。
連想法
扱うテーマを紙の中央に言葉で描きます。
そこから連想される言葉を線でつなぎながら書いていく方法で「マインドマップ」とも呼ばれます。
連想された言葉から、また新たに導かれる言葉を書き、どんどん言葉を増やしていきましょう。
ランダム抽出法
これは俳句にある「二物衝突」というテクニックに似ています。
異質な2つの言葉を組み合わせることで、それぞれ単体にはなかった新しい印象を作るテクニックです。
外部からの刺激がやってくる環境に身を置くことが大切で、いろいろな情報をインプットすることが必要になります。
このように水平思考方法では、テーマの中に没入するのではなく、いろいろな客観的視点で切り取ったり、テーマとは異なる別の何かを連結相手の素材として持ってくると効果的です。
良いアイデア=アウトプットは、何もないところから生まれません。
必要な材料のインプットがあってこそ、はじめて実現します。
まとめ
「たのしごとデザイン論」ではこのほかにもたくさんのデザインについての思考方法だったり、デザインのこれからの考え方を改めて教えてもらえる本でした。
この本を読んでデザインがより好きになりましたし、もっとこの業界で突き詰めて行きたいと思いました。
DTPのデザインの本ではありますが、Webデザインにも通づるところがありますので、初心者Webデザイナーの方にぜひ読んでいただきたいです。